法人が借りた建物の所有者が妻なら、その建物の賃貸からの所得は原則として妻に帰属することになります。
では、建物の賃借料の中には、敷地の使用料は含まれないのかというと、そういうことではありません。
本来建物の所有権は、敷地利用権と一体となって財産権としての価値を持っています。なので、この場合も敷地の使用料が含まれていると考えるのです。
この場合、土地の利用権は妻がその土地の上に建物を建てたことによって、その支配下に置かれたものと考えます。
ですから、妻に支払われる建物の賃借料の中には、敷地利用権の貸付の対価も含まれているものと考えますので、法人が支払う地代名義の賃借料は、妻の建物の賃借料とあわせて、妻の不動産所得として申告すべきものとなります。
実際に、妻が夫に地代を支払っていた場合ですが、その場合でも、その支払地代は、奥様の不動産所得の必要経費にはなりません。この場合は、夫の不動産所得の計算上も妻からの地代収入はなかったものとされます。その代わり、夫の土地に係る租税公課などは、妻の不動産所得の必要経費にできることになっています。
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