今後受け取る社債利子から控除するのではなくて、その社債の取得価額に算入してください。
なぜ、経過利子を支払うのかについて少し触れます。
公社債や社債(公社債)を取得する際には、直前の利払日から購入日までの経過利子を支払います。これは、公社債の取引が経過利子を含まない、いわゆる裸相場で行なわれているのでその分を別に支払う必要があるからです。
この経過利子を受け取った人の取扱いについてですが、この経過利子は確かに保有期間に対応する利子としての性格はあるのですが、所得税法上は利子所得には該当しません。また、仮に公社債が利含み相場で取引された場合を考えてみましても、譲渡価額から特別に除外する規定もありません。
※株式の売買についても配当分は除外されません。
なので、これらのバランスからこれを受け取った人については、公社債等の譲渡の収入金額として取り扱われることになっています。
では、支払った人の取扱いはどうなるのかですが、経過利子を支払った人については、その公社債から生じた利子所得から控除するのではなく、その公社債等の 取得価額に算入する ことになっています。
最後に、法人税法との違いについてですが、法人税法では、支払った経過利子を前払金として処理しその公社債の利子から控除することが認められています。これは、所得の種類を定めず、有価証券の譲渡益についてもすべて課税する法人税の仕組みの上では、その実質に着目した便宜的な取扱いができるからです。
この取扱いは、所得税法上は認められませんので、どうかご注意ください!
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